Spotifyのエンジニアリング文化
動画
Spotify Engineering Culture - Part 1 という動画がとてもよかったので、貼り付けておきます。
Spotify Engineering Culture - part 1 from Spotify Training & Development on Vimeo.
関連する参考記事
藤原さんのこの翻訳もあわせて読みたい。同じテーマのHenrikのブログ記事の翻訳です。
組織に変化をもたらすための4冊+1 〜Fearless Change(翻訳版)の出版に寄せて〜
書籍"Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas"の日本語訳が出版され、ありがたいことに献本をいただきました。翻訳者にはアジャイル界隈で日頃お付き合いをいただいている方々の名前が並んでいます。
原著は Mary Lynn Manns, Ph.D. と Linda Rising, Ph.D.による名著で、2004年に出版されています。それが10年の月日を経て、待望の日本語版が出版されたということです。私自身もこの本は既に原書で読んでいましたが、日本語版についても改めて目を通しています。
そういえば、今の会社に入る時のインタビューで「何をやりたいのか?」と聞かれて、「組織のtransformationをやりたい」と答えたことを思い起こすとともに、今まさにこの本を読み返す必要が出てきたタイミングで日本語版が出版されたのも何かの縁と思っています。
Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン
- 作者: 川口恭伸,木村卓央,高江洲睦,高橋一貴,中込大祐,古家朝子,安井力,山口鉄平,米沢仁,角征典
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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組織に変化をもたらすための4冊
さて、この書籍自体については、いろんなところで既に書かれていると思いますので、ここではこの本を含めて、組織に変化をもたらすことを考える時に参考になる書籍を4冊ほど紹介しておこうと思います。
- 作者: John P. Kotter
- 出版社/メーカー: Harvard Business School Pr
- 発売日: 1996/01/15
- メディア: ハードカバー
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Influencer: The Power to Change Anything
- 作者: Kerry Patterson,Joseph Grenny,David Maxfield,Ron McMillan,Al Switzler
- 出版社/メーカー: McGraw-Hill
- 発売日: 2007/08/22
- メディア: ハードカバー
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Switch: How to Change Things When Change Is Hard
- 作者: Chip Heath,Dan Heath
- 出版社/メーカー: Crown Business
- 発売日: 2010/02/16
- メディア: ハードカバー
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Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas
- 作者: Mary Lynn Rising, Linda Manns
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2004/10/04
- メディア: ハードカバー
- 購入: 11人 クリック: 114回
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そしてさらに1冊と言えば…
Jurgen Appelo氏が前述の4冊にインスパイアされて書いた小冊子が"How to Change the World"です。日本語版は達人出版会のページからどうぞ。
"The Healthy Programmer"を読み始めている
あまりにもBlogをサボっていて書き方を忘れてしまいそうだし、またいつも本は読み終わってから書評っぽいBlogを書こうとして読んでいるうちにその気がなくなってしまうということも続いているので、とりあえずこの本については読み始めの段階でなんか書いておこうと思います。
The Healthy Programmer: Get Fit, Feel Better, and Keep Coding (Pragmatic Programmers)
- 作者: Joe Kutner,Brian P. Hogan
- 出版社/メーカー: Pragmatic Bookshelf
- 発売日: 2013/07/03
- メディア: ペーパーバック
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健康って大事だね、と思ってからどうするか?
読み始めたきっかけは、確かtwitterかなんかでたまたまこんな本が出ていることを知ったからなのですが、その前からいろんなことが自分の周りで起きていて、やっぱり仕事をするに当たって(当たり前だけど)健康って大事だね、と思っていたことも背景にあります。
で、誰もが「健康って大事だね」なんてことはわかっていると思うのですが、なかなか生活習慣を変えられなかったりしているのが現実です。そこでどうやって生活習慣を変えて「健康なプログラマー」を目指すかというのが本書のテーマです。
健康な生活に向けたアジャイルなアプローチ
この本は、意外にもちゃんとした学術的な根拠や理論に基づいて書かれているっぽいのですが、本文はあまり堅苦しくなく、参照文献などもいちいち示すのではなく巻末にまとめて挙げておくに留めるなど、読みやすくする工夫をしてあります。そのため、特に医学や脳科学やその他さまざまな前提知識というのはあまり必要とされません。
しかしながら、プログラム開発やシステム開発プロジェクト、特にアジャイル開発についての前提知識があると非常に理解しやすく、また楽しんで読めると思います。目次をざっと眺めてみるだけでも、それは容易に想像できると思います。
組織を変えるための個人レベルの変革にも通じる
…などと言ったらいいすぎでしょうか?でも、一人一人の習慣や行動を変えることは組織を変えていく上でも重要なことであり、その個人レベルの変革を促す科学的アプローチを知っておくことはとても役に立つと思います。
そうです、この本は"transformation"について書かれた本でもあるのです。
Let's refactor your health.
開催間近! Agile Tour Osaka 2013
今年もAgile Tour Osaka 2013が開催されます。
開催日程が近づいてきましたので改めてご案内させていただきます。
毎回、開催日が近づくと申込みが集中する傾向にあります。ご興味をお持ちの方はお早めにお申し込みを。
開催概要
- 日時: 2013年10月5日(土) 10:00-16:15
- 場所: 伊丹商工プラザ
- プログラム:
※詳細および申込みは以下のサイトをご参照ください。
ウォーターフォールの興亡2
3年前に旧ブログで「ウォーターフォールの興亡」というエントリを書きました。
昨日、そこにコメントいただき興味深い論文を紹介いただいたので、こちらでもご紹介しておきます。
The Rise and Fall of Waterfall
まずはその前に、旧ブログのエントリの方で貼り付けていたYouTubeの動画がブロックされて日本では観れなくなっているようですので、改めてvimeoにある動画を貼り付けておきます。
ウォーターフォールモデルの誤解を解く
そして、そこに昨日コメントいただいた小椋さんのブログエントリが
です。
Royceのモデルがどこかでウォーターフォールという名前のもとで誤解とともに広まってしまった悲劇は有名ですが、「では、いったい誰が最初にウォーターフォールという言葉を使ったのか?」というテーマで小椋さんが書かれた論文がダウンロードできるようになったそうです。
結論めいたものをブログ本文から引用すると
そこで、誰がウォーターフォールという言葉を最初に使ったのか、そして、誰がロイスがウォーターフォールの提唱者だと誤解を広めたのかを調べることにしました。
その結果、ウォーターフォールという言葉を最初に使ったのはベルとセイヤーの1976年の論文で初めて使われたこと、その誤解を広めたのはソフトウェア界の大御所であるベームが、その著書でロイスがウォーターフォールのオリジナルだといったことが原因であることを解明しました。
ということだそうです。
だからなんなんだ?という意見・感想もあろうかと思いますが、まずはRoyce論文についての復習と歴史のお勉強として。
見積りは必要?〜No Estimates Movementについて〜
今年に入ってからしばしばtwitter上で#NoEstimatesというハッシュタグを目にします。その議論は未だに続いているようですが、ここらでちょっと(後で自分で考えるためにも)簡単に整理しておきたいと思います。(全ての議論を追っているわけではないので、事実誤認などもあるかもしれません。お気づきの点などあればコメントいただけるとありがたいです。)
はじまりは、この辺?
おそらく、最初のきっかけとなっているのは、Woody Zuillが、No Estimatingのカテゴリーで書いているの一連のブログ記事ではないかと思います。
で、本人曰く、 #NoEstimates というハッシュタグを最初の使い始めたのがおそらく彼だろうということです。
もう一人、積極的にこのテーマについて発信しているのが、Neil Killickです。彼のブログには#NoEstimates3部作とも言える一連の記事があります。
- #NoEstimates Part 1: Doing Scrum without estimates | neilkillick.com
- #NoEstimates Part 2: Contract negotiation and the Old Banger | neilkillick.com
- #NoEstimates Part 3 – The Palm Off | neilkillick.com
Neilのプレゼンテーションもこちらにあります。
その後のいろんな議論
以降、 #NoEstimates のハッシュタグのもとでtwitter上でもいろんな意見が交わされてきています。また、そのトピックに関するブログ等の記事もいろんな人によって書かれているようです。
そしてついに4月末頃に大御所Ron Jeffriesが
という記事を書いています。
もっと最近のところでは、読んで面白かったのは、Michael Dubakovの
と、Glen B. Allemanの
です。
これからも引き続きtwitter上でもこの議論は続きそうですし、新しい記事も出てきそうなので要チェックです。
で、結局なんなの?
それがわかればとっくにこの議論は終わっているはずなのですが、…。
とりあえずざっくりと(あまりにも大雑把なまとめですが)自分なりに思うところをまとめてみたいと思います。
- #NoEstimates というのは、単に「(ソフトウェア開発における)見積りなんてどうせ正確にできるわけないし無駄だからやめてしまえ!」という話ではなくて、「見積り」という手段よりもっとよい方法で必要なものが得られればその方がいいんじゃないの?という話。
- じゃあ、「見積り」をする目的ってなんなの?ということになりますが、それはなんなのでしょうね?これもコンテキストに依存するのでしょうが、まるっと丸めて言えば「意思決定に使える材料を提供する」ということでしょうか。つまりは、どんな(なんの)意思決定をするかによって、必要とされるものもその精度も違ってくるということ。
- 少なくとも、「見積りが必要だから見積りをする」ではなくて、ちゃんとその目的を明確にするのがまず第一歩でしょう。そういうことを何も考えずにただ必要だからということで見積りを機械的にこなしてしまっている現場って多くないですかね?
プロダクト合気道(Product Aikido)
CPA GlobalのHead of Product Development FlowであるBob Marshall氏(twitterのアカウントで、 @flowchainsenseiと呼んだ方が馴染み深いかもしれません)が、CPA GlobalのProduct Developmentのマニュアルを公開しました。そのタイトルが"Product Aikido"です。
簡単な説明は、彼のブログエントリーをご参照ください。そこからpdfファイルをダウンロードして読むことができます。
これがなかなか私のツボにハマったので、簡単にご紹介しておきます。
書いたのはRightshiftingやMarshall ModelのBob Marshall
いまさらBob Marshall氏についての説明などは不要だと思いますが、代わりに過去のこのブログで彼に関連したエントリーも書いていますので、ここにリンクを貼っておきます。
その彼が、プロダクト開発の社内マニュアルを書いて公開したというのだから、それだけで期待が高まりますよね。そして、まだ斜め読みしただけですが、期待を裏切らない内容です。
マニュアルというよりフィロソフィ(哲学)
彼はこの中でこの"Product Aikido"を指すのに、"Philosophy"とか"Doctrine"という言葉を使っています。なのでこれは単なるマニュアルというよりは、「プロダクト開発のこころ」とも言えるようなものではないかと思います。
というわけで、4章からなる全体の構成も、
- The Nature of Product Development
- The Theory of Product Development
- Preparing for Product Development
- The Conduct of Product Development
というように、プロダクト開発って何やねん?というところから始まっています。
なぜ「合気道」?
"Product Aikido"という名前にした理由については、末尾の奥付に以下のように説明されています。
The author chooses the name "Product Aikido" to reflect the role of spirit, especially harmony, which lies at the centre of effective product development. We might serve our purposes better if we regard entropy not an enemy, but rather as a wayward friend, with whom nevertheless we choose to dance.
が、もうちょっとイメージしやすいところでいえば、第1章にある以下の部分が、合気道のメタファーを使っている箇所としてわかりやすいかもしれません。
Product Development is fundamentally an interactive social process. We might imagine a randori situation (freestyle Aikido training) with a uke (receiver) and nage (thrower), each attempting moves and countermoves to try to defeat the other. Product development is thus a process of continuous adaptation to events, of give and take, simultaneous synthesis and dissolution.
心構えの書
つまり、これはプロダクト開発に取り組む上での「心構え」を記したものであるというのが私の印象です。したがって、前書きでも書かれているように、リファレンスマニュアルのように使うのではなく、最初から最後までじっくりと読んでみるのがよいのだと思います。
というわけで、昨日のエントリー(「オブジェクト指向のこころ」)に続く"こころ"シリーズ第2弾でした。