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Always All Ways

Apologies, Glances and Messed Up Chances

「信頼」が加速させるアジャイル

Agile Management Life

Peter Callies氏がLeadingAgileに書いていた記事が良かったので、簡単にご紹介しつついろいろ思うところをメモ書き。
Agile at the Speed of Trust – An Overview | LeadingAgile

この記事は、Stephen M.R. Coveyの"The Speed of Trust"(邦題:『スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する』)をベースに、アジャイルの文脈における「信頼」について論述したものです。今回はOverviewということで今後、続編が出てきそうな気配ですので楽しみです。

アジャイルと信頼/信用の話

アジャイル界隈の人は、「信頼」と聞くと、まずは「信頼貯金」とか「信用貯金」を思い浮かべるのではないでしょうか?
たとえば、角谷さんのこの記事(↓)にあるように。
アジャイル開発者の習慣-acts_as_agile:最終回 信頼貯金を増やす|gihyo.jp … 技術評論社
そしてまた、渋川さんが翻訳された『アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには』の中でも、"social capital"を「信用貯金」と訳されていたかと思います。(渋川さんらしい訳ですね。)
これらは、何よりもアジャイルと信頼/信用が切っても切れない関係であることを示していると思います。

信頼の影響を示す2種類の数式

Coveyはその著書の中で、"trust"について次のように述べています。

trust is not some soft, illusive quality that you either have or you don't; rather, trust is a pragmatic, tangible, actionable asset that you can create

そしてさらに数式(っぽいもの)を使って、信頼というものが与える影響を示しています。
まず下に引用したものは見ての通り、Trustが上がったり下がったりすることがSpeedやCostにどう影響するかを示しています。

↑Trust = ↑Speed ↓Cost
↓Trust = ↓Speed ↑Cost

次に下に挙げるのは、これまでのResult(成果)は Strategy(戦略)とExecution(実行)の掛け算であるという数式にさらにTrust(信頼)との掛け算に展開したものです。つまり、Tが1より大きければSとEの掛け算以上に成果が上がるし、小さければ下がるということを示しています。

(S x E)T = R

信頼の波

続いて元記事で紹介されていたのは、Coveyが信頼の広がりを波紋のメタファーで説明しているものです。これについては図と詳細な説明が記事の中に書かれていますのでそちらを参照してください。
Self trust → Relationship trust → Organizational trust → Market trust → Social trust
この波の広がりの中で、Self trustというのがまず最初に来ています。それによって次の波が起き、最後にはSocial trustにつながっていくということです。そしてそれぞれのレベルでアジャイルなチームの振る舞いと密接に関係しています。

マネージャの立場から見た4つの信頼の形

上では5つのtrustの種類が示されていますが、Jurgen Appeloの"Management 3.0"(もう、このブログで散々紹介して食傷気味だと思いますのでリンクは省略しますね)の中でも別の切り口でマネージャの立場で考えるべき4つの信頼の種類が示されていました。(第7章 pp.138-141)

  1. Trust Your Team (チームを信頼すること)
  2. Earn Trust from Your People (チームメンバーからの信頼を獲得すること)
  3. Help People Trust Each Other (チームメンバー同士の信頼関係構築を支援すること)
  4. Trust Yourself (自分自身を信頼すること)

そして、ここでも最後のSelf trustがまず大切であると述べられています。

信頼こそがすべて

このエントリのタイトルは「信頼が加速させるアジャイル」としましたが、実は、元記事のタイトル("Agile at the Speed of Trust")を見て最初に思ったのは「アジャイルの導入・展開は、その組織における信頼関係構築のスピード以上には進まない」ということです。あなたの組織では、どうですか?

おまけ〜私にとっての「信頼」とは?〜

最後に、2009年の夏にブログに書いた記事のリンクを貼り付けておきたいと思います。
Always All Ways: [読書] 信頼すること
これも元は本の一節にインスパイアされただけですけれども。

追記

続編記事が出てきたら気づいた範囲でこちらに追記していきます。

スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する

スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する

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