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Apologies, Glances and Messed Up Chances

「ワークショップデザイン論」を読んで

私自身は、研修やセミナーなどで行われるワークショップが苦手です。もちろん、よく考えられて運営されたワークショップで多くの気づきを得る場合もあるにはあります。しかし、なんとなく「ワークショップ的な」ことで適当に時間を埋められたり、なんとなく「座学だけではなく体験型の研修を演出してみました」的なものに付き合わされている感があったり…そんなワークショップも少なくなく、そんな時は疲労感しか残りません。

というわけで、「ワークショップ」と聞くと「面倒くさいなー」「普通に座学させてくれないかなー」とか思ってしまうわけです。(それとは少し違いますが、「パネルディスカッション」という言葉にも似たような感覚を持ってしまうことも多いです。)

そんな私ですが、別にだからと言ってワークショップそのものが悪いとは思っておらず、それがちゃんと「デザイン」されていないというところが問題なのだろう…と思うくらいには大人になりました。

そして、

が出版されると聞いたときには早速予約して、今、手元に置いて読んでいるわけです。

で、この本は、良いです。

理論と実践のバランス

帯には「ワークショップ実践の必携書」というフレーズが踊っていますが、いわゆる実践面のみにフォーカスした「How-To本」ではありません。かと言って、研究者が理論面でのみ書いている本でもありません。理論的バックグラウンドをしっかり押さえつつ、実践の場での事例など含めて具体的なワークショップについても述べており、そのバランスがとてもよい感じです。

理論でときほぐし実践へ

この本を読んでいると、冒頭に述べたようないわゆる「ワークショップに対する漠然とした不満や違和感」の正体がなんとなく理論的に解きほぐされていくように感じます。まぁ、確かにそうだよね、と。その上で、じゃあどうしたらいいのか?自分がワークショップをデザインする時にこれから何をどう考えるべきなのか?そんなことを考えさせられるわけです。これは楽しみでもあり、プレッシャーでもあります。

これからワークショップのデザインや運営などに携わろうとしている人にはおすすめの一冊です。

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ

ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ