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RightshiftingとMarshall Model、あるいは組織のドレイファスモデル

今朝、Bob Marshall(@flowchainsensei)氏が、「まとめ記事書いといたよん♪」的なことをtweetしていたので、今日はそれに関連したブログエントリです。


それぞれの内容についてはそれぞれのリンク先の記事を見ていただくとして、ここでは私なりにそれをざっくりと理解する上でのポイントとなりそうなところについて書き綴ってみることにしたいと思います。

Rightshifting

まず、Rightshiftingについて。Right(右に)shifting(シフトする)って一体なにを?という話ですが、これは記事中に出てくる図(横軸に組織のEffectivenessをとって、対応する組織の数の分布を示したやつ)を見ていただくとわかると思います。この分布のカーブを全体的に右にシフトしていくのがRightshiftingの考え方です。
言葉で定義すると、

“Improving the effectiveness of knowledge-work businesses.”
(Rightshifting « Think Different)

となります。

EffectivenessとEfficiencyの違い

上で"Effectiveness"という語が出てきますが、この言葉の意味をきちんと理解しておくことが、RightshiftingやMarshall Modelを理解する上では重要です。それについては、下のプレゼンテーションの3枚目と4枚目のスライドで簡潔に説明されています。要するに、よく言われる「正しいことをする」と「正しくやる」の違いみたいな感じですかね。


※この資料はBobのRightshiftingのリソースまとめのエントリでは紹介されていませんが、Rightshiftingについてさくっと雰囲気をつかむにはとてもよいと思います。

Marshall Model

そして、Marshall Modelというのは何かというと、知識労働における組織のEffectivenessを向上させる段階を説明したモデルです。その根底にあるのは、Effectivenessは、組織で共有されるマインドセットの関数であるという気づきです。

effectiveness = f(mindset)

イメージ的には、個人の技能習得モデルであるドレイファスモデルの組織版みたいな感じと理解してもよいかもしれません(←ちょっと乱暴?)。(ドレイファスモデルは確か「リファクタリング・ウェットウェア」にも出てきていたから、みんなご存知ですよね?)

まとめ

というわけで、個人的にはアジャイルの文脈に限らず、組織を考える上でRightshiftingとかMarshall Modelというのは非常に参考になる考え方であると思いますし、今後も注目していきたいと思っています。一方で、それを日本語で紹介・説明したものがあまり見当たらなかったので、若干乱暴ながら「きっかけづくり」のためにこの紹介文を書いてみた次第です。

リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法

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