Always All Ways

Apologies, Glances and Messed Up Chances

エンタープライズ・アジリティについて考える (3)

「エンタープライズ・アジリティについて考える」シリーズの第3回です。 過去の記事はこちら。 Always All Ways: [IT] エンタープライズ・アジリティについて考える (1) エンタープライズ・アジリティについて考える (2) - Always All Ways 過去2回では、…

プロジェクト向きのアジャイル開発手法:DSDM

DSDMって聞いたことありますよね?そうそう、アジャイル開発手法の一覧みたいな表には必ず含まれているけど、XPやScrumと違って実はあまりその実態を知らないやつです(笑)。もちろん私も聞いたことはある程度で、ちゃんとした知識は持ち合わせていません。…

経営にとってのアジャイル(または最近のSteve Denningの記事がツボにはまるという話)

このブログでも今まで、アジャイル開発におけるマネジメントやマネージャーの役割について何回か取り上げてきました。が、今までのはそれでもまだ、どちらかというと「現場より」のマネジメントの話でした。(会社の役職で言えば課長から部長くらいのイメー…

"How"の質問に答えてはいけない

先週は、リーンソフトウェア開発のポッペンディーク夫妻(メアリーとトム)が来日していました。幸運なことに私も、 月曜日はリーダーシップ・ワークショップの一日目に出て〜とんかつ食べに行って〜 火曜日はリーダーシップ・ワークショップの二日目に出て…

変革のマネジメントとはマネジメント自体を変革すること

組織へのアジャイル開発導入とか、アジャイルな組織への変革について考えたり調べたりしていると、温故知新というかなんというか、結構古くからある先人の知恵とでもいうべきものにたどり着きます。その中の一つとして、デミング(W.Edwards Deming 1900-199…

要求開発を語るときの心地悪さとその原因

id:kent4989さんのエントリに反応しつつ、また少し要求開発界(?)を盛り上げてみましょうか。 元エントリは、こちら↓ 要求開発のホームグラウンドについての考察 - 勘と経験と読経この中で彼は、要求開発の適用範囲は限られており以下のような領域がその「…

Scrumを教えるのに最適なフレームワークはScrum

Tobias Mayer氏が、「スクラムのワークショップにおける5つの『やってはいけない』」みたいなブログ・エントリを書いています。せっかくなので、その5つを見出しのみ抜粋してみると、 Don't plan the whole workshop. Don't ask questions you already kno…

アジャイル開発に組織が興味を持ったならどうすればいいか?

タイトルはそのままパクりです。 id:kaji_3さんが興味深いブログ記事をアップされていたので、自分だったらどう考えるだろうか?ということでコメント代わりに簡単に思うところを書いてみます。 元記事は、こちら↓ アジャイル開発に組織が興味を持ったならど…

エンタープライズ・アジリティについて考える (2)

「エンタープライズ・アジリティについて考える」シリーズの第2回です。 とは言え、前回の(1)は一体いつどこで書いたやら…。かなりインターバルがあいてしまっています。前回(2011年8月!)の中途半端なエントリーはこちらです↓。 Always All Ways: [IT] …

ローカル・ナレッジを参照点として複雑適応系とダンスする要求開発

今朝の id:kent4989 氏のエントリにインスパイアされて、まとまりがないものの思うところを書いてみたいと思います。 元記事はこちら↓ ローカルな知としての要求開発 - 勘と経験と読経まず最初に断っておきたいのは、氏が言わんとしていることはだいたい理解…

"Lean Healthcare"ってなに?

さきほど、こんなブログ記事がアップされていました。 Interested in a Possible Lean Healthcare Study Trip to Japan? — Lean Blog そしてそこから辿っていくと、少し前のこんな記事にもぶつかりました。 Video: Salem Health CEO & Senior Leaders Commen…

DisciplineとInstitutionalization

アジャイル開発への取り組みに関して、現場メンバーとユーザ/顧客は前向きだけれども、情報システム部門も含めた社内マネージャ層が支持してくれないという話を良く聞きます。過去、自分の組織の中でのアジャイル開発(Scrum)の導入・展開を推進してきた経…

カンファレンス再考

ここ1週間ほどのうちに、Jurgen Appelo氏とBob Marshall氏が立て続けに「カンファレンス」のあり方について考察・提言するブログを書いています。 Jurgenの記事 What If We Started Organizing *Real* Conferences? - Agile Management | NOOP.NL Bobの記事…

「要求開発の心」を活かすポイント

【おことわり】 この記事は、もともとエンジニア向けフリーペーパー"EM WEST"の連載記事「現場での要求開発のはじめ方」の第2回として書き下ろしたドラフトです。EM WEST Vol.3(だっけ?)の発行がまだ先になりそうなので、現時点でブログの方で番外編とし…

Scrumチームを編成する際の必読記事2点

昨日のエントリー(QA versus Testing! Antagonism or Symbiosis? - Always All Ways)でQA/テストからの視点でチーム編成に少し関連することを書きましたが、一般的に、Scrumにおけるチーム編成を行う上でポイントとなることが2点あります。それは、 チー…

QA versus Testing! Antagonism or Symbiosis?

去る3月12日〜14日にBelgium Testing Days 2012が開催されました。そこで全体のテーマとして掲げられていたのが今回のエントリのタイトルに挙げた"QA versus Testing! Antagonism or Symbiosis?"(品質保証 vs. テスト!敵対か共生か?)です。 アジャイル開…

優れた肛門科医のように行動せよ!? (Act like a good Proctologist.)

タイトルは釣りです(笑)。 全体最適と部分最適を考えるときの姿勢 この週末に読んだブログの中で、"Stop B*tching About Local Optimizations"というやや刺激的なタイトルのエントリがありました。 RisingTideHarbor: Matt Barcomb's Blog on Lean Agile B…

"An Introduction to Planning Poker" by Bob Hartman

[From the Archive: Originally posted at my old blog: Always All Ways: [Translation] "An Introduction to Planning Poker" by Bob Hartman Feb. 27, 2010] [これは以前の私自身の旧ブログの記事(2010年2月27日)からの転載記事です] This is a transla…

プラクティスのCherry Pickingは善か悪か?

昨日、Agile Japan 2012が開催されました。私自身は今年は参加していなかったのですが、twitterなどで情報を追う限りでは今年も熱く有意義なイベントだったようです。それらを見ながら感じたことと今まで考えてきたことを合わせて、全体の文脈や空気を読まな…

書籍 "Agile for Managers" のベータ版

このブログでは今までしばしばマネジメント視点で見たアジャイル開発とかアジャイルな組織の話を書いています。その中でいくつかの書籍も紹介していますが、またちょっと気になる書籍が出版準備中との情報を見つけましたのでご紹介しておきます。しかも現在…

「信頼」が加速させるアジャイル

Peter Callies氏がLeadingAgileに書いていた記事が良かったので、簡単にご紹介しつついろいろ思うところをメモ書き。 Agile at the Speed of Trust – An Overview | LeadingAgile この記事は、Stephen M.R. Coveyの"The Speed of Trust"(邦題:『スピード・…

バスタブで語るアジャイル(ALEBathtub V)

今朝は5時前に起きて、さきほどまでALE(Agile Lean Europe)の第5回Bathtub Conferenceにオンライン参加していました。ここで取り急ぎ簡単なメモ書きとともにご紹介しておきます。 Bathtub Conferenceとは 簡単な歴史はこちらのページにもありますが、ALEの…

リーンソフトウェア開発がいまだによくわからない

アジャイル開発というと、まず頭に浮かぶのがXP、Scrum、Lean、Kanbanあたりでしょうか。その中でも私は、リーン(Lean)がイマイチよくわかっていないのです。いやほんとに。確かにいろいろ書籍も出ていますし、インターネット上でも調べればその説明をした…

But...Self-Organization Is Not Enough: 自己組織化チームに関する誤解とマネージャの役割

アジャイル開発の文脈において、自己組織化されたチームという概念がよく出てきます。これはアジャイルなマネジメントを考える上でポイントとなる一つの大きな概念である半面、誤解(時によっては過大評価)されていたり、またそれが故にマネージャの役割が…

アジャイル開発へのミーム学的アプローチ

アジャイル開発における知識やルールの伝播などについて、利己的遺伝子で有名なリチャード・ドーキンスの「ミーム」に例えることは、それほど新しい話ではありません。私自身はまだちゃんと読んでいないのですけれども、古くは、2002年(原書は2001年)のア…

Lulu.comで「世界を変える方法」を買ってみた

旧ブログでの以前のエントリーで、Jurgen Appelo氏のChange Management 3.0について紹介しました。 Always All Ways: [IT] Change Management 3.0その後、彼がその内容を小冊子にまとめてLulu.comで自費出版したということを知り、早速買ってみました。 Lulu…

仕事帰りにドラムサークルすると何が起きる?

イベントのお知らせ/ご紹介です。岡山出身で現在は都内を中心に精力的にライブ活動を行っているピアニストの妹尾美穂さんが裏の別の顔であるドラムサークル・ファシリテータとして、平日夜に異業種交流的な(婚活も?)ドラムサークルをどどーんと開催しちゃ…

旧ブログのアーカイブ(アジャイル編)

はてなブログに移行する前の過去ブログについては、サイドバーのリンクから閲覧可能になっていますが、古い記事の一覧性が弱く、また記事内容も種々雑多なものが混在しているため、改めて、アジャイル関連のエントリについて主なものを抜粋してリンクのリス…

書籍「民俗のふるさと」(宮本常一)

二人の常一 以前、「二人の常一」という表現をしたのは誰だったでしょうか。確かに私の周りでよく聞く常一という名前の人物には二人が存在します。一人は、宮大工の西岡常一(つねかず)、そしてもう一人が今回取り上げる書籍を書いた民俗学者の宮本常一(つ…

RightshiftingとMarshall Model、あるいは組織のドレイファスモデル

今朝、Bob Marshall(@flowchainsensei)氏が、「まとめ記事書いといたよん♪」的なことをtweetしていたので、今日はそれに関連したブログエントリです。 Just added a list of RIghtshifting resources to: flowchainsensei.wordpress.com/rightshifting/— B…