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Spotifyのエンジニアリング文化

動画

Spotify Engineering Culture - Part 1 という動画がとてもよかったので、貼り付けておきます。

Spotify Engineering Culture - part 1 from Spotify Training & Development on Vimeo.

関連する参考記事

藤原さんのこの翻訳もあわせて読みたい。同じテーマのHenrikのブログ記事の翻訳です。

組織に変化をもたらすための4冊+1 〜Fearless Change(翻訳版)の出版に寄せて〜

書籍"Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas"の日本語訳が出版され、ありがたいことに献本をいただきました。翻訳者にはアジャイル界隈で日頃お付き合いをいただいている方々の名前が並んでいます。

原著は Mary Lynn Manns, Ph.D. と Linda Rising, Ph.D.による名著で、2004年に出版されています。それが10年の月日を経て、待望の日本語版が出版されたということです。私自身もこの本は既に原書で読んでいましたが、日本語版についても改めて目を通しています。
そういえば、今の会社に入る時のインタビューで「何をやりたいのか?」と聞かれて、「組織のtransformationをやりたい」と答えたことを思い起こすとともに、今まさにこの本を読み返す必要が出てきたタイミングで日本語版が出版されたのも何かの縁と思っています。

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

組織に変化をもたらすための4冊

さて、この書籍自体については、いろんなところで既に書かれていると思いますので、ここではこの本を含めて、組織に変化をもたらすことを考える時に参考になる書籍を4冊ほど紹介しておこうと思います。

Leading Change

Leading Change

Influencer: The Power to Change Anything

Influencer: The Power to Change Anything

  • 作者: Kerry Patterson,Joseph Grenny,David Maxfield,Ron McMillan,Al Switzler
  • 出版社/メーカー: McGraw-Hill
  • 発売日: 2007/08/22
  • メディア: ハードカバー
  • クリック: 1回
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Switch: How to Change Things When Change Is Hard

Switch: How to Change Things When Change Is Hard

Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas

Fearless Change: Patterns for Introducing New Ideas

そしてさらに1冊と言えば…

Jurgen Appelo氏が前述の4冊にインスパイアされて書いた小冊子が"How to Change the World"です。日本語版は達人出版会のページからどうぞ。

見積りは必要?〜No Estimates Movementについて〜

今年に入ってからしばしばtwitter上で#NoEstimatesというハッシュタグを目にします。その議論は未だに続いているようですが、ここらでちょっと(後で自分で考えるためにも)簡単に整理しておきたいと思います。(全ての議論を追っているわけではないので、事実誤認などもあるかもしれません。お気づきの点などあればコメントいただけるとありがたいです。)

はじまりは、この辺?

おそらく、最初のきっかけとなっているのは、Woody Zuillが、No Estimatingのカテゴリーで書いているの一連のブログ記事ではないかと思います。

で、本人曰く、 #NoEstimates というハッシュタグを最初の使い始めたのがおそらく彼だろうということです。

もう一人、積極的にこのテーマについて発信しているのが、Neil Killickです。彼のブログには#NoEstimates3部作とも言える一連の記事があります。

Neilのプレゼンテーションもこちらにあります。

その後のいろんな議論

以降、 #NoEstimates のハッシュタグのもとでtwitter上でもいろんな意見が交わされてきています。また、そのトピックに関するブログ等の記事もいろんな人によって書かれているようです。
そしてついに4月末頃に大御所Ron Jeffriesが

という記事を書いています。
もっと最近のところでは、読んで面白かったのは、Michael Dubakovの

と、Glen B. Allemanの

です。
これからも引き続きtwitter上でもこの議論は続きそうですし、新しい記事も出てきそうなので要チェックです。

で、結局なんなの?

それがわかればとっくにこの議論は終わっているはずなのですが、…。
とりあえずざっくりと(あまりにも大雑把なまとめですが)自分なりに思うところをまとめてみたいと思います。

  • #NoEstimates というのは、単に「(ソフトウェア開発における)見積りなんてどうせ正確にできるわけないし無駄だからやめてしまえ!」という話ではなくて、「見積り」という手段よりもっとよい方法で必要なものが得られればその方がいいんじゃないの?という話。
  • じゃあ、「見積り」をする目的ってなんなの?ということになりますが、それはなんなのでしょうね?これもコンテキストに依存するのでしょうが、まるっと丸めて言えば「意思決定に使える材料を提供する」ということでしょうか。つまりは、どんな(なんの)意思決定をするかによって、必要とされるものもその精度も違ってくるということ。
  • 少なくとも、「見積りが必要だから見積りをする」ではなくて、ちゃんとその目的を明確にするのがまず第一歩でしょう。そういうことを何も考えずにただ必要だからということで見積りを機械的にこなしてしまっている現場って多くないですかね?

人間の脳を活用せよ [Management 3.0 Course by Jurgen Appelo]

今週は、Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013に2日間参加、その後2日間のManagement 3.0研修に参加というスケジュールでさまざまな刺激を受けた1週間でした。その中でまずは、Jurgen Appelo氏によるManagement 3.0研修について簡単に書き留めておきたいと思います。はい、本当に簡単に書きますよ。
なぜならば、ワークショップ/エクササイズを含めた2日間の濃い内容を私の拙い文章力では何をどうしても伝えきれないから。そして、有償の研修ですので、次回の開催があった場合にみなさんに是非わくわくした期待を持ったまま参加していただきたいからです。

複雑適応系に対処するには?

ソフトウェア開発やそのチームが複雑適応系(CAS: Complex Adaptive System)であるということはよく言われています。では、それに対処できるマネジメントとはなにか?複雑なものには何をもって立ち向かえばいいのか?というのがこのコースの中心テーマであったと私は考えています。

必要多様度の法則と必要複雑度の法則

そのコアをなす法則が、William Ross Ashbyの「必要多様度の法則」(The Law of Requisite Variety)であり、それを組織にあてはめた場合の「必要複雑度の法則」(The Law of Requisite Complexity)です。
では、必要多様度の法則とはどんなものかというと、一言で言えば、

Only variety can absorb variety.

ということであり、Anthony Stafford Beerは、物理学者にとってアインシュタイン相対性理論が重要なのと同じくらいに、このアシュビーの必要多様度の法則はマネージャにとって重要なものであると言っているらしいです。
それをシステムや組織に適用してみると、

The complexity of a system must be adequate to the complexity of the environment that it finds itself in.

となります。変化する環境の中で生存していくためには、それと同等の複雑度を自己のうちに持たなければならないということですね。

複雑性に複雑性をもって対処するには?

つまり、複雑なものに対処するためには複雑なもので立ち向かうしかないというわけですが、では我々の武器はなんでしょうか?それが人間の「脳」です。
脳は他のどんなツールよりも複雑です。
ならばそれを活かそうではないか、ということです。そのためのマネジメントの考え方が"Management 3.0"です。
「ルールをつくる」というのは、ある意味、人間が自分で考えるという行為(すなわち「脳」をつかうということ)のスイッチをOFFにしているのに等しいと考えられます。それはもったいないですね。

さまざまなワークショップ/エクササイズ

ということで、上に書いたようなことを6つの視点に整理したものを理解し、体感するというのが今回の研修です。その個々の内容については触れませんが、工夫されたワークショプやエクササイズについて、簡単にイメージだけ写真で紹介しておきたいと思います。
f:id:tmaegawa:20130119133840j:plainf:id:tmaegawa:20130119133845j:plain
こんな感じです。今回は通訳を介しての研修ということもあり、時間の関係でいくつかのエクササイズはスキップしていましたが、それでも十分なエクササイズがあり、Management 3.0の世界を体感できました。
で、ケチケチ言わずにもうちょっとワークの内容とか教えてよ!という方のために、同じく研修に参加されていた椿さんのブログへのリンクを勝手に貼り付けておきますね!

まとめ

というわけで、アジャイルなチームをどうやって育てていけばいいか?とか、どうやってアジャイルな組織に変革していけばいいのか?とか悩んでいる人、あるいは自分のチームをもっとよくしていきたいと考えているメンバー、どなたにとってもとても役立つ研修コースだったと思います。
その他、もうちょっと何か聞きたいとかいうことがあれば、またお会いした時にでもお気軽に声をかけていただければできる範囲でお話させていただきます。お会いする予定のない方は、飲みに誘ってください。


Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))

Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))

  • 作者: Jurgen Appelo
  • 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
  • 発売日: 2010/12/28
  • メディア: ペーパーバック
  • 購入: 2人 クリック: 34回
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JurgenのManagement 3.0コースの開催について

先日、Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013にJurgen Appelo氏が来日するということで紹介記事を書きました。

本日は、そのJurgenが世界各地で開催し好評を得ているManagement 3.0コースが日本でも開催されるという話のご案内です。(特に私自身が当研修の運営に直接関わっているわけではありませんけど。)

開催概要

  • 日付: 2013年1月17日(木)〜18日(金) : 2日間
  • 時間: 10:00 〜 18:00
  • 開催場所: 株式会社 VOYAGE GROUP 会議室パンゲア ( 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町8-16 渋谷ファーストプレイス8F )
  • 価格: 20万円
  • 主催: アギレルゴコンサルティング株式会社

詳細については、以下のサイトをご覧ください。

アジャイルなマネジメント

Jurgenの言うManagement 3.0についての話や、「アジャイルなマネジメント」について考える必要性については、以前のエントリにも書いています。

対象者はマネジメント層だけではない

マネジメントの研修ではありますが、対象はいわゆるマネージャ層だけではないと考えています。
私自身はJurgenの考え方は、植物を育てるように人やチームを育てる考え方だと理解しています。つまり、植物そのものに働きかけるのではなく、土を耕したり水をやったり日当りを確保したり…。人そのものではなく人のまわりにある「システム」に働きかけるという考え方です。
ですので、自分が働くチームを少しでもよくしていきたいと思うメンバーやチームリーダーにとっても得るものは大きいと思います。
また、その根底にある複雑適応系への関わり方とシステム開発の関係などは、アジャイルな開発のフレームワークやプロセス、プラクティスの適用などを考える上でも非常に参考になると思いますので、ご興味のある方は是非参加をご検討ください。


Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))

Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))

Jurgenがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!

既にみなさんご存知のことと思いますが、Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013にJurgen Appelo氏がやってきます。
というわけで、予習エントリでございます。

まず一冊読むなら"Management 3.0"

とりあえず読んでおきたいのは、"Management 3.0"ですね。これは良い本。

Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))

Management 3.0: Leading Agile Developers, Developing Agile Leaders (Addison-Wesley Signature Series (Cohn))

日本語でお手軽に読みたいなら

そうは言っても洋書はちょっと…という、そこのあなた!
そんなあなたのために、ワンコインで買えるお手軽な翻訳書が電子書籍で出ています。

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これは、買って読むしかないですね。

その他

これまた英語になっちゃいますが、このあたりは追いかけておくといいですね!

TwitterFacebookでは、Jurgen本人のアカウントだけでなく、以下もチェックです。

そしてみんなでJurgenに会いに行こう!

"Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013"は、年明けすぐの2013年1月15日〜16日の2日間開催で、現在チケット絶賛発売中らしいです。

アジア諸国でのアジャイル開発普及と人材教育

ひきつづき、Agile Tour Osaka 2012 in Minohの告知ブログです。前回のエントリの時点では、まだ長瀬さんの講演タイトルと概要が公式に発表されていませんでしたが、数日前にようやく公表されました。

アジア諸国でのアジャイル開発普及と人材教育

これが、長瀬さんの講演タイトルです。そして概要は、こんな感じ↓

欧米諸国では、アジャイル開発はメインストリームとして当たり前になりましたが、日本での普及は10%にもなりません。日本では、従来型にしがみつきアジャイル開発の普及が進みません。その裏では、日本のソフトウェア開発は、日本からアジアの新興国へシフトしだしています。
それでは、アジア諸国でのアジャイル開発の普及はどうなっているのでしょうか。とりわけ、中国、ベトナム、タイのアジャイル開発事情と人材教育の現場の話をいたします。

これを聴いて何を感じるか、何を考えるか

それはまさに参加者次第です。
オーガナイザーとして、長瀬さんに講演を依頼する立場として期待しているのは、これが単にアジア諸国のお話として捉えるのではなく、参加者ひとりひとりが今後の自分自身のエンジニアあるいはビジネスパーソンとしての生き方を考えるきっかけになればいいな、ということ。
その意味では、私自身が勝手にこのイベントの「裏テーマ」と考えている「会社に頼らない働き方、日本に縛られない生き方」を考える上での直接的ではないかもしれないけれどもさまざまなヒントを与えてくれるセッションになるのではないかと思っています。